🎐 涼やかな音色を求めて——徳島・石井町「童学寺」まけまけ風鈴祭りへ

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徳島の季節観光
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ー7月23日ー SNSで「徳島 石井町 風鈴」というワードが目に入ってきた。写真に写っていたのは、境内一面に吊るされた色とりどりの風鈴。「これ、四国のどこ?」と調べてみると、徳島県名西郡石井町にある童学寺(どうがくじ)だとわかった。

「まけまけ風鈴祭り」という聞き慣れない名前のイベントで、阿波弁の「まけまけ(あふれるほど/負けん負けん)」に由来するらしい。開催は毎年4月1日〜8月31日

私の印象としては、「風鈴には浴衣の女性がよく似合う」ということです。浴衣で友達同士で記念撮影するのも、SNS映えすると思います。


■ 童学寺ってどんなお寺?

JR徳島線・石井駅から歩いて向かう途中、そもそもこのお寺がどんな由緒を持つのか、改めて頭の中で整理してみた。

  • 四国別格二十霊場 第二番札所——弘法大師空海ゆかりの札所巡り、第一番の大山寺に続く二番目の霊場。
  • 寺伝によれば、飛鳥時代に僧・行基が創建。奈良時代末〜平安時代にかけて、幼い空海(7〜15歳)がここで書を学び、『いろは四十八文字』をこの地で生み出したと伝わっている。「童(わらべ)」が学んだ寺という由来で「童学寺」の名を賜ったという。
  • 天正年間、長宗我部元親の兵火で一度は焼失するも、元禄年間に再興。
  • 2017年3月25日、庫裏から出火した火災により本堂が全焼。国の重要文化財である木造薬師如来坐像(平安後期、定朝様)は運び出され無事だった――という話を思い出すと、今度足を運ぶ本堂は再建された新しい姿になるのだろう。
童学寺の長く続く木造回廊の外観。軒下に無数の風鈴が整然と並び、奥へと続いている。
回廊の外側には、見渡す限りの風鈴が。その整然とした並びは美しく、圧巻の光景です。

■ アクセスと道中

駐車場について、思ったのは駐車台数が少ないです。私が行ったのは平日の15時30分くらいだったのですが、あと2台で満車でした。タイミングが良くて助かりました。

日曜、祭日はきっと満車になると思うので、行かれる時は、駐車場は調べてから行くことおすすめします。

石井駅からタクシーのほうがいいかもしれません

所在地:徳島県名西郡石井町石井字城ノ内605
TEL:088-674-0138
アクセス:JR徳島線「石井駅」下車→徒歩30分/徳島バス鴨島行き「城ノ内」下車→徒歩15分/JR石井駅から車で約15分

🚗 散策・ドライブを快適にするおすすめのアクセス&宿泊情報

童学寺はJR石井駅から徒歩30分ほどかかるため、真夏や天候が怪しい日はレンタカーでの訪問がとても快適です。また、徳島市内のホテルを拠点にすると、四国別格霊場巡りや徳島観光がスムーズに回れます。


■ 風鈴回廊に足を踏み入れる

駐車場から2、3分歩くと、真っ白な「東明山」の門が現れる。手前の池に映る山門と境内、四国の古刹に入って来たのだなと改めて感じる。

門をくぐり境内へ。案内板に従って進むと――回廊に出た。

童学寺の風鈴回廊の内部。右側には無数の風鈴、左側には安置された石仏が静かに並んでいる。
涼しげな風鈴の音色と、それを静かに見守る石仏。童学寺ならではの荘厳でありながら、心癒される空間です。

風が回廊を吹き抜けた瞬間、約1500個(阿波ナビでは約1500個、四国ツーリズムでは約5000個との紹介もある)の風鈴が一斉に「ちりーん」と鳴った。

私たちの会話が一瞬だけ消える。ガラスの色や形、文字が一つひとつ違う。願い事を書いた短冊が付いたもの、キャラクターもの、仏教っぽい梵字が透けるもの。

魔よけの風鐸(ふうたく)が由来というだけあって、空気がふっと軽くなる感覚がある。「あふれるほどの風鈴で、困難に負けない」という名の由来、その意味がここで分かった気がした。

立ち止まっていると、向こうから家族連れが通りかかった。子どもたちは「あの赤いのがカッコいい」「ブルーが涼しそう」と口々に指差す。それも微笑ましい。

昨今のSNS映えというけれど、それを抜きにしても、風の音と色だけでこれだけ人の気持ちが動くのかと少し驚いた。

童学寺の回廊内。安置された三十三観音の石仏の上を、無数の風鈴と短冊が鮮やかに彩っている。
並び立つ三十三観音像の上を、色とりどりの風鈴が埋め尽くす。華やかでありながら、心落ち着く光景です。

■ 境内散策——逍遥園でひと呼吸

風鈴の音の記憶を携えたまま、書院の裏手へ足を延ばすと、「逍遥園(しょうようえん)」が広がっていた。

室町期に築かれたという池泉回遊式庭園。石井町が平成26年(2014年)に名勝指定した、由緒ある一画だ。池の縁を一周しながら景色の移ろいを楽しむつくりで、石組、石橋、木々の緑――派手さは控えてあるのに、どこか目を奪われる。

回廊での風鈴の「チリーン」という振動がまだ耳の奥に残っているのに、こちらは風の音だけが頼りの静寂。たった数十メートルで、寺の「二つの顔」を交互に浴びるような、不思議な体験だった。

風鈴が飾られた木造回廊から、新緑の木々に囲まれた童学寺の境内と本堂を望む。
: 風鈴の音色をBGMに、美しい緑と歴史ある本堂を眺める。夏の童学寺の魅力を凝縮した一枚です。

■ 再建された本堂のこと

逍遥園から本堂方向へ目をやると、2024年12月26日に上棟式が執り行われた再建中の本堂の姿を遠望することができた。

2017年3月25日の火災で焼失してから、長い年月をかけてようやくここまで来たのだ。地元の年配の方がとなりに立って、

「よう元通りになって…」と独り言のように呟いていたのが印象的で、このお寺がこの町の中心に寄り添ってきた存在なのだと改めて思う。

せめて案内板だけでもと読んでみると、本尊である木造薬師如来坐像は弘法大師空海自らが彫ったと伝わる国指定重要文化財(明治44年指定、像高64cm、平安後期・定朝様)。

火災のときは運び出されて無事だったと知り、「仏さんだけは守られた」という事実に、なんだか胸が熱くなった。


■ 境内に残るもうひとつの見どころ——いろは大師とキリシタン灯籠

逍遥園から本堂裏手をゆっくり歩いていると、案内板になければ見過ごしていたであろう二つの石造物に出会った。どちらも童学寺の由緒を静かに物語る、控えめだけれど印象深い存在だった。

■ 筆を執る大師像「いろは大師」

境内の一角に立つ弘法大師像。よく見ると、数珠でも五鈷杵でもなく、を手にしている。大師像としてはなかなか珍しい姿だそうで、地元では「いろは大師」と呼ばれているという。

幼い空海がこの寺で学問に励み、「いろは四十八文字」を創り出したという寺の由緒――その物語がそのまま像の姿になったような、そんな一体だった。

「いろは大師」と書かれた台座に座る、石造りの弘法大師像と左右の石灯籠。
筆を手に、優しく微笑む「いろは大師」像。学業成就を願う人々に親しまれています。

■ 聖天堂前にひっそりと——「キリシタン灯籠」

聖天堂(歓喜天堂)の前まで来ると、ぽつんと一基の石灯籠が立っていた。案内板は少し離れた場所にあり、灯籠だけだとうっかり通り過ぎてしまいそうになる。これが石井町指定有形文化財「キリシタン灯籠」だ。

花崗岩製で全高約170cm、竿石の部分には十字形と人物像が刻まれ、下部は台石を持たず土中に直接埋め込まれているのが特徴だという。この意匠は利休七哲の一人・古田織部が好んだと伝わることから、「織部灯籠」とも通称されるらしい。

キリシタン信仰との関わりは実のところ定かではないそうだが、側面には奉納者として武市左馬助の名が刻まれ、寛永年間(1624〜1644年)後半頃に奉納されたと伝えられている。

2017年の火災でも、この灯籠は焼失を免れた。薬師如来像だけでなく、こんな小さな石造物までもがくぐり抜けてきた歴史があると思うと、境内をただ通り過ぎるだけではもったいない気がしてくる。


■ 童学寺の藤まつり・いろは手作り市もあわせて楽しむ

今回は風鈴祭りの時期に訪れたが、童学寺は季節ごとに別の顔を見せてくれる場所でもあるらしい。調べてみると、春には藤、初夏には手作り市と、一年を通して何度も足を運びたくなる寺だとわかった。

■ 藤まつりの見頃と風鈴祭りとの違い

石井町は「藤」を町の花に指定しており、毎年4月中旬〜下旬に石井町藤まつりが開催される。メイン会場は童学寺から少し離れた地福寺(樹齢200年余りの紫藤が見もの)だが、童学寺と徳蔵寺も会場の一部として藤棚が自由に鑑賞できる。

童学寺の藤棚は樹齢およそ150年と伝わり、境内に甘い香りが漂う。期間中の土日にはこの3ヶ寺周辺で模擬店も出店される。

つまり、藤まつり(4月)まけまけ風鈴祭り(4〜8月)は開催時期が一部重なる。4月中旬〜下旬に訪れると、紫の藤と色とりどりの風鈴を同時に楽しめる、この寺いちばんの贅沢な時期になる。

■ いろは手作り市で出会えるハンドメイド作品とグルメ

童学寺では年に2回ほど、「いろは手作り市」というマルシェイベントも開かれている。

境内の屋内外に、アクセサリーや雑貨、フェイクフードなどのハンドメイド作品、キッチンカーの飲食ブースなど、およそ80店舗が並ぶという。

回廊の上でも出店が行われることがあり、後方には石仏が並ぶ独特の雰囲気の中で買い物ができる。

近年は来場者が増え、臨時駐車場からのシャトルバスが運行された回もある。開催は毎回告知が出るので、訪問前に童学寺の公式サイトやSNSで日程を確認しておくと安心だ。


■ 御朱印でめぐる童学寺の信仰|薬師如来と脳天不動

境内を歩いていて気づいたのが、童学寺はふたつの霊場を兼ねているということ。ひとつは今まで書いてきた四国別格二十霊場 第2番、もうひとつが四国三十六不動尊霊場 第11番である。仮本堂横の納経所で、それぞれ異なる御朱印をいただくことができる。

■ 四国別格二十霊場の御朱印「薬師如来」

ひとつ目は、本尊・木造薬師如来坐像にちなむ「薬師如来」の御朱印(納経料300円)。火災を免れて今も大切に守られているあの重要文化財の仏さまに、あらためて手を合わせてから頂きたい一枚だ。

■ 四国三十六不動尊霊場の御朱印「脳天不動」

もうひとつは「脳天不動」の御朱印(納経料300円)。童学寺の不動明王はぼけ封じ・中風除けにご利益があるとして信仰されてきたそうで、

頭にまつわる不動さまというのも、幼い空海がここで学問に励んだという寺の由緒と重ね合わせると、なんだか感慨深い。


■ 実用情報——次の訪問者へ向けて

最後に、今回の訪問で調べて分かった実用的な情報をまとめておく。

名称童学寺(どうがくじ)
所在地徳島県名西郡石井町石井字城ノ内605(四国別格二十霊場 第2番札所)
TEL088-674-0138
開催中イベントまけまけ風鈴祭り(毎年4月1日〜8月31日)
風鈴志納金小 700円/大 800円
入場境内は自由(庭園拝観は別)
アクセス(電車)JR徳島線「石井駅」下車→徒歩30分、もしくは駅から車で約15分
アクセス(バス)徳島バス鴨島行き「城ノ内」下車→徒歩15分
おすすめ時期7月下旬〜8月中旬(風鈴の音色が最も涼しく響く真夏)

⚠️ 公式サイトによる最新の開催期間に注意
訪問前は必ず公式情報を確認してください。

阿波ナビのサイトで確認できます


■ 終わりに——願いを託して、また来よう

正直、風鈴がいっぱいの寺ということでここまできましたが、実際本当に「まけまけ」で風鈴の音が聞きたくて、いい風が来るのを20、30分ほど待って、風鈴の音色を聞けて良かったです。

夏の暑さも少しは和らいだような気がします。(気休めかもしれませんが)

まけまけ」——阿波弁の響きが、今でも耳の内側で鳴っている。

あふれるほどの風鈴で、困難に負けない。

次にまたこの季節にここへ来たときは、風鈴の下でちょっとした願い事を書き留めてみたいと思う。色とりどりのガラスが風に揺れる中で、一瞬でも肩の荷を下ろせたら、それだけで十分。

■ あわせて読みたい
石井町には、童学寺のほかにも家族で楽しめるスポットがある。せっかく石井町まで足を延ばすなら、体験型科学館「あすたむらんど徳島」もあわせて訪れてみるのはどうだろうか。プラネタリウムや屋外遊具、イルミネーションなど、風鈴祭りとはまた違った時間を過ごせるはずだ。


最後まで
読んでくれて
ありがとう

また次回も、ぜひお越しください✨

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『香川』柏原渓谷のホタル
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夏の風物詩といえば、やはりホタルです。暗闇に飛び交う無数の光は、見る者を幻想的な世界へと誘ってくれます。そんなホタルを、香川県綾歌郡綾川町にある柏原渓谷で鑑賞することができます。

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