導入部分:発見のきっかけ
ホタルが舞う夜、静かな棚田で心が洗われるような時間を過ごしてみませんか?
愛媛県のホタル鑑賞スポットをネット検索しているときに、ふと目にした「つなぐ棚田遺産」という言葉。その響きに、どこか懐かしさと誇りのようなものを感じました。
調べてみると、そのひとつに「雨滝音田(あまたきおんだ)の棚田」という場所があり、しかもそこでは自然発生するホタルが見られるというではありませんか。
人工ではなく、地域の人々が守り続けてきた自然の中で生きるホタル。そんな「本物」の命の輝きに出会えるかもしれない。私はその瞬間を求めて、雨滝ホタルの里へと向かうことを決意しました。
事前準備・アクセス編
計画段階での調査
ホタルの見頃は例年、5月中旬から6月中旬とのこと。タイミングを合わせて、5月20日に訪れることにしました。
アクセス手段を調べると、公共交通は少なく、車での移動が便利。
持ち物リスト(ホタル観賞におすすめ)
- 赤色モード付き懐中電灯(ホタルにやさしい)
- 歩きやすい靴(山道あり)
- 薄手の上着(夜は冷える)
雨滝ホタルの里のアクセス方法・駐車場情報
松山から車を走らせること約1時間から1時間30分。道中の景色は、緑が濃くなる山道と、時折開ける棚田の風景が続き、自然への期待を高めてくれます。
「穂田琉園」を目指していき、そこに車を停めます。そこから消防団の蔵置所の方へ歩いていくと、「雨滝ホタルの里の周辺マップ」があるので「ほたるの河原」目指していきます。
こちらが現地に設置されている案内マップです

愛媛県東温市にある「雨滝 ほたるの里」の案内マップです。ホタル鑑賞のベストシーズンは5月下旬から6月上旬とのこと。暗闇の中での移動は足元に注意し、農作業用の明かりに配慮するなど、ホタルを守るための大切なメッセージが記されています。このマップを手に、美しいホタルの光に包まれる体験を楽しみにしています。
途中の棚田の風景。第一印象は「まるで時間が止まったような静けさと美しさ」でした。
棚田の美しさ ~ 日中の風景
到着は夕方前。まずは日中の「雨滝音田の棚田」をじっくり散策しました。
田植えを終えたばかりの棚田は、まだ水が張られた状態で、空や雲を鏡のように映し出していました。その景色があまりにも静かで、何度来てもこの棚田の風景を見ると日本の原風景に触れたような気になって、心が落ち着きます。
カエルの鳴き声がそれに拍車をかけてくれてますけどね。
日没から観賞時間まで
夕暮れの棚田
陽が傾き始め、棚田にオレンジの光が映る頃、周囲は静寂に包まれていきます。山の稜線が黒く染まり、空は藍色へと変化。
その変化をただ見つめているだけで、心が洗われるような感覚になりました。
観賞準備
観賞エリアに続く農道には、地元の方が設置したソーラーライトが柔らかく道を照らしてくれます。
集まった観賞者は皆、言葉少なに静かにその時を待っていました。「騒がないでいよう」という暗黙のルールが自然と共有されている空気。とても心地よかったです。
見頃時期はいつ?雨滝ホタルの里のホタル観賞レポート
5月20日 ホタルとの出会い

静寂に包まれた山の夜に、空には小さな星々が、地上にはホタルの淡い光が瞬きます。まるで、山が呼吸しているかのような、神秘的で心安らぐ瞬間です。
「雨滝ほたるの里」の代表的な場所のこの「ほたるの河原」近くには最初まったくホタルの姿が見えなくて、それでも粘っていたら、4、5匹のホタルが光り始めてくれて、良かったと思いました。
誰もいない中、1人で撮影していると近所の人らしき人が声をかけてくれて、「ここは第1突堤と言って、もう少し下に第2突堤があるけど、そっちの方が多いよ。」と教えていただきました。
情報ありがとうございます。
時間的に遅いので今日はここで撮影して、もう少し後でまた来ようと思って撮影していると、
なんと、ドイツ人の2人連れの女の子(留学生ぽい感じ)が来て、ホタルが本当に数匹飛んでたのですが、その光を見てすごく喜んでいました。
私は、去年とかならもう少し飛んでたのに少しかわいそうな気がしましたが、それでもゼロじゃなかったのが唯一の救いだと思いました。
話をすると、香川から車で来てこの後帰るとのことでした。
何回か来たことはありますが、外国人に出会ったのは初めてだったので嬉しかったです。
6月1日 ホタルとの出会い

真っ暗な夜道を、懐中電灯の光が力強く照らし出しています。どこまでも続くかのような光の先に、期待と冒険心が掻き立てられます。夜の散策には、頼れる光が不可欠ですね。
6月1日 今日は前に教えていただいた「第2突堤」に来ました。
今回は5月20日に来た時よりはホタルが多く飛んでくれていたので良かったです。

深い紺碧の夜空に、数えきれないほどの星々が瞬いています。肉眼では見えない宇宙の広がりを感じさせる、静かで美しい一枚です。
この日はちょうど月もなく星もすごく綺麗でした。この2枚の写真はiPhone📱で撮影したのですが、天の川が分かるくらい綺麗でした。

深い紺碧の夜空に、数えきれないほどの星々が瞬いています。肉眼では見えない宇宙の広がりを感じさせる、静かで美しい一枚です。

愛媛県東温市の山里で捉えた、夏の夜の神秘的な光景です。空には満点の星が輝き、地上ではホタルが光の軌跡を描きながら舞い踊っています。この時期だけの特別な美しさに、心癒されるひとときでした

夜空には星々が軌跡を描き、地上ではホタルが光の絨毯を広げる、魔法のような夜景です。ホタルたちが織りなす幻想的な光のショーに、時間を忘れて見入ってしまいます。
何枚かを合成したらこんな感じの星グルとホタルの軌跡の写真になりました。
やがて表川沿いに乱舞するホタルの群れが現れました。無数の光が宙を舞い、空には綺麗な星空が、棚田全体が幻想的な空間に変わります。
この風景は、写真にも映像にも完全には収めきれない、「その場にいる者だけが感じられる奇跡」でした。
五感で感じる体験
耳を澄ませば、聞こえるのはカエルの声と小川のせせらぎ、そして木々を揺らす風の音。
夜風は涼しく、田んぼの匂いがほんのりと漂います。時間を忘れ、ただその光景に身を委ねるひとときでした。
地域の取り組みに触れて
地元の方々への感謝
この美しい環境を保つために、草刈りや農道の整備など、地元の方々が日々努力していることを知りました。
また、「ホタルの棲む田んぼで育てたお米」として知られる**穂田琉米(ほたるまい)**など、地域ブランドへの取り組みも印象的でした。
「日常の奇跡」を守る意味
ここで見られるホタルは、人工的に放流されたものではなく、自然に生きている個体たちです。その価値は何にも代えがたいもの。
この環境を守り、次の世代へと継承することの大切さを改めて感じました。
周辺施設・グルメ体験
観賞の前後には、周辺施設でのグルメも楽しめます。
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**雨瀧屋(あまたきや)**では、農園のお米を販売するとともに、地域の観光案内所として「雨滝音田の棚田」の棚田カードの配布などをして
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フランス料理 リュシオルでは、季節毎に入れ替わる食材を厳選し、その食材が持つ美味しさ、持ち味を生かした料理が味わえます。
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**kuromori(クロモリ)**というマウンテンバイク&カフェのお店もあり、アクティビティと癒しの両方を楽しめる拠点です。
どの場所でも、地域の方々がこの里を誇りに思い、訪れる人を温かく迎えているのが伝わってきました。
帰路と振り返り
名残惜しい別れ
帰り道、最後に見たホタルの光がふわりと揺れて、まるで「またおいで」と言っているかのようでした。
空を見上げると、星が驚くほどきれいで、まるでこの体験にそっと蓋をしてくれるような夜空でした。
心に残ったもの
あの時間、私は自然と、地域と、一体になれた気がします。
美しい風景と、静かな感動、そして人の優しさ。それがすべて重なって、「また来たい」と強く思いました。
まとめ ~ 雨滝ホタルの里の魅力とは?
静寂に包まれた棚田の風景と、夜空に舞うホタルの光。その美しさは、言葉では言い表せないほどでした。
自然と人が共に生きるこの場所は、訪れるたびに心を豊かにしてくれます。
ぜひ皆さんも、季節限定のこの奇跡を体感してみてください。
この体験から学んだこと
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自然の偉大さと尊さ
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地域コミュニティが果たす役割
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スローツーリズムの魅力
「見に行く」というより、「出会いに行く」旅。そんな言葉がぴったりの体験でした。
それと同時に「自然の生き物」は難しいです。
「ホタルが飛ぶ」と信じて行くのですが、ホタルが飛ぶ場所も変化してたり、数が多かったり少なかったり、「ホタルの光」が見れるということは、本当に「タイミング」だなとつくづく思いました。
読者へのメッセージ
もし訪れる際には、ホタルたちの棲む静かな環境を守るため、マナーを守った観賞をお願いします。
そして、来年もまたこの地を訪れて、あの光と出会いたい。そんな想いを胸に、この記事を締めくくります。
自然と人が織りなす、かけがえのない時間を、あなたにもぜひ体験してほしいです
・車のヘッドライト・ハザードランプをむやみに照らす。
・懐中電灯の光をむやみに照らす。
・スマートフォンのライトを付ける。
・カメラのフラッシュをたく。
その他にも以下の様なマナーを守る事も忘れないでください。
・ホタルを採取しないでください。
・ホタルを傷つける行為はしないでください。
・棲息地を踏み荒らすことはしないでください。
・ゴミや煙草の吸殻を捨てることはしないでください。