心に残る、窪野町との出会い
6月3日。
愛媛県松山市の郊外にある「窪野町(くぼのちょう)」は、知る人ぞ知るホタル観賞スポットです。私が訪れたのは6月初旬の夕暮れ、まさにホタルが舞い始める頃。
ネットで「松山 ホタル 観賞」と検索していたとき、「窪野町 ホタルマップ」という興味深いPDFを見つけたのがきっかけでした。
実際に現地に足を運んでみると、そこには静寂と清流が調和する癒しの風景が広がり、都会の喧騒を忘れさせてくれる別世界でした。
この記事では、そんな窪野町で体験したホタル観賞の感動を写真とともに詳しく紹介します。
内心は少し半信半疑で、「本当にそんなに飛ぶのかな?」と思いながらも、山あいの風景と夕暮れの静けさに包まれ、これから始まる“光の舞”を想像すると、自然と期待が膨らんでいきました。
窪野町ってどんなところ?
窪野町は松山市の南西部に位置し、棚田や清流が美しく広がる里山地域です。都市部から少し離れるだけで、鳥のさえずりと緑の香りに癒される静かな環境が広がっています。
この町では、地域の人々がホタルを大切に守っており、「松山くぼの町ホタル祭り」が開催されるほどの熱意があります。
祭りは毎年5月下旬に行われ、今年(第4回目)は久谷町の「葛掛五社神社」で行われていた「鎮守の杜のコンサート」の継承として、知事の呼びかけから始まったものだそうです。
なぜ窪野町のホタルは特別なのか?
窪野町がホタル観賞の名所とされる理由は、その自然環境と地域の保全活動にあります。
山あいを流れる御坂川は水質が良く、ホタルの幼虫が成長するための条件がそろっていることに加え、
地元住民やNPO「くぼの里山会」の皆さんが定期的に清掃や環境整備を行っています。
また、近年では「松山くぼの町ホタル祭り」としてホタルを主役にした地域イベントが毎年開催されるようになり、窪野町全体でホタルを守り、楽しむ文化が根付いていることも大きな特徴です。
多くの観賞スポットでは年々ホタルの数が減少している中で、窪野町ではむしろ「年によっては以前よりも数が増えている」という声も聞かれます。
これは本当に珍しいことで、持続可能なホタル観賞地の好例と言えるでしょう。
いざ、ホタル観賞へ!
アクセス編
私が訪れたのは、ホタル祭り当日ではなかったため、「松山くぼの町ホタル祭り・生息地案内図」を参考に、ホタルが多そうな「丹波バス停」付近を目的地にしました。
私が参考にした「松山くぼの町ホタル祭り・生息地案内図」です。

松山くぼの町ホタル祭り・生息地案内図
私はこれを見て鑑賞ポイント参考にしました。
観賞スポット到着
「丹波バス停」付近には駐車場がないため、バスの通行を妨げない場所に車を停め、周辺を散策しました。
川沿いには御坂川が流れ、下流側は豊かな田園風景、上流側は静けさに包まれた山の景色が広がります。
途中で偶然「アカテガニ」と思われる小さなカニにも遭遇し、自然の豊かさを実感しました。

西条の豊かな田園地帯を流れる水路沿いの道。実りの秋を思わせる田んぼが、日本の原風景を彩ります。
バス停から近い「御坂川」の方へ行ってみました。下流の方はこんな感じです。
後でわかるのですが、この場所がホタルが多く飛んでくれました。

愛媛県西条市で出会った、水墨画のような里山の風景。朝霧が立ち込める中で、日々の喧騒を忘れて自然の息吹を感じました。
「御坂川」の上流の方はこんな感じです。
橋が見えたので行ってみることにしました。

西条の道の脇には、生命力溢れる植物が伸び伸びと育っています。もしかしたらここが「桜坂」でしょうか、自然の力強さを感じる一コマです。
橋から上流の方はこんな感じです。

西条市内を流れる野川(もしくは近隣の川)が、夕暮れの優しい光に包まれていました。水辺の静かな時間は、一日の終わりに安らぎを与えてくれます。
下流の方はこんな感じです。

公園の片隅で、ひょっこりと現れた小さなカニ。自然豊かな場所ならではの出会いに心が和みました。
橋に行く途中で「アカテガニ」というらしいでですけどカニを発見しました。これにはビックり😱
感動の瞬間 -窪野町 ホタルとの出会い
「今日はホタルは飛ばないかも」と諦めかけた20時過ぎ、ふいに草むらにふわりと光が舞いました。
1匹、2匹……やがて数えきれないほどの光が辺りを包み込み、まるで星空が地上に降りてきたような幻想的な光景が広がりました。
数匹のホタルは私のすぐそばまで飛んできてくれました。今シーズン初めての感動体験です。
ホタル観賞のコツとマナー
-
時間帯は20時~21時がベスト:ホタルの活動が最も活発になる時間帯。
-
目を暗闇に慣らす:スマホや懐中電灯の光は控えめに。15分ほど前から暗さに目を慣らしておくと◎。
-
写真撮影は慎重に:フラッシュは厳禁。三脚と長時間露光が必要。周囲の迷惑にならないよう配慮を。
-
環境を守る:ホタルの生息地を踏み荒らさないよう、足元に注意しながら静かに観賞を。
窪野町の魅力発見
地元の方とのふれあいも、この場所の魅力の一つです。
「マムシが出るから注意してね」「ヒメボタルも見られる場所があるよ」など、地元の方からの優しい声かけがとてもありがたかったです。
最後に「撮影頑張ってくださいね」と声をかけていただき、心が温まりました。
久保の超ホタル訪問のベストタイミングとアドバイス
-
見頃:5月下旬〜6月上旬
-
天候:湿度が高く、風の少ない日が◎
-
混雑:土日は混み合うため、平日や早めの時間帯が狙い目
-
持ち物:赤色ライト付き懐中電灯、上着、飲み物、運動靴
-
トイレ:「窪野公園」にあり(駐車場はなし、路肩に一時駐車が必要)

のどかな雰囲気漂う時代堀公園。歴史を感じさせる古民家が隣接し、散策にぴったりの場所です。
この公園でトイレを借りましたが、駐車場がないのでじゃまにならないように路肩に停めました。
正直初めて来た場所なので、混む時間帯とか分からなかったのですが、混む時間帯だと停めれないと思います。

緑豊かな御神山公園の散策路。鳥のさえずりを聞きながら、自然の中をゆっくりと歩くのに最適です。
写真の先に見える建物がトイレです。
まとめ – この体験から学んだこと
ホタルの光は、自然の尊さと儚さを語りかけてくるようでした。
地域の人々と自然が共存しながら守ってきたこの景色は、まさに宝物。来年もまた、窪野町のホタルに会いに行きたいと心から思える夜でした。
久保の超ホタル 実用情報まとめ
-
アクセス:松山市中心部から車で約30分。「丹波バス停」付近がおすすめ
-
駐車場:なし(路肩等に注意して停車)
-
服装・持ち物:虫対策、暗がりに対応できる装備を
-
問い合わせ先:松山市認定NPOくぼの里山会公式HP
写真ギャラリー

夕暮れ時、西条の自然の中で出会ったホタルの光。闇夜に点滅する小さな光が織りなす幻想的な光景は、まさに夏の夜の魔法です。

西条の穏やかな夕暮れ、ホタルたちが活動を始めました。線を描くように飛び交う光は、見ているだけで心が洗われるようです。
「丹波バス停」近くの川で撮影、これは一枚どりです。

西条の夜の帳が降りる頃、小さな命が織りなす光のショーが始まります。ホタルたちの儚くも力強い輝きに、しばし見とれてしまいました。
「丹波バス停」近くの川で撮影、これは一枚どりです。

愛媛県松山市窪野町は、夏の夜にホタルが乱舞する隠れた名所です。闇夜に浮かび上がる無数の光が織りなす幻想的な世界は、息をのむほどの美しさ。自然が贈るこの特別なショーを、ぜひ一度体験してみてください。
これはコンポジットした写真です。もう少し長秒露光したら良かったのと、松山の空が明るいのをなんとかできたら良かったと思ってます。